人造の真実

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1.名無しさん2016年01月12日 14時08分

パプリック・オカレンシズが配している新聞。
壊れた仮面事件について記述されている。

2.名無しさん2016年03月17日 12時37分

パイパーは、ヌードルを啜る市長の姿を何も知らずに描写しているが、状況的には壊れた仮面事件当時と近似している点が皮肉である。

3.人造の真実2016年06月06日 10時56分

2287年10月
人造人間の真実
著者
パイパー・ライト

ヌードル。皆それを食べる。皆それが大好きだ。そしてダイアモンドシティパワーヌードルは過去15年にわたりこの食物を供給してきた。タカハシがプログラムした日本語の形式ばった機械的なリズムから、それぞれのボウルに立ち上る香り高い蒸気へ、一口ごとの美味で焼けるように熱い味わいへ。ヌードルを注文して食べることは人間の数多い共通体験の1つに他ならない。しかし本当にそうだろうか?

その疑問がふいに生まれたのは、先週水曜の夜5時を少し過ぎた頃、パワーヌードルのカウンターに座り、それまでに幾度となく食べた夕食を楽しんでいた時だ。その時私は、まさにマクドナウ市長ご本人が椅子ににじり寄り、まったく同じ儀式に没頭していることに気づいた。右手を伸ばし、口を開き、歯で噛む。そう、ヌードルを食べる行為。ダイアモンドシティ住人のほぼ全員に共通する経験だ。

60年ほど前のダイアモンドシティ住民にも、同じように思えたはずだ。2229年の例年になく暖かい5月の夜に、まさにこのカウンターに座りながら。しかしそれはタカハシと彼のヌードルが生まれる前で、バーで出されるのはヌードルではなく、冷えたヌカ・コーラや、泡の立つビールや、きついウイスキーだった。バーテンダーの名はヘンリーで、その夜彼は、飲み、タバコを吸い、笑うといった人類共通の経験を円滑に進めていた。悲劇に見舞われるまでは。

あの夜を覚えている年齢の人は多くない。マクドナウ市長による2282年の反グール法令のお陰で強制追放されなかったならば、町にはそれを覚えているグール居住者が何人かいたはずだが。しかしあの夜の出来事を、はっきりと記憶する人物が1人いる。尊敬される女性リーダーのユースタス・ホーソンパブリック・オカレンシズの独占インタビューで自らの体験を語った人物だ。

「ええ、確かにそこにいました。ちょうどあなたが今私の前にいるみたいに、バーに座って。22才くらいで、単純に楽しみたかったんです。私も皆もウォールに隠れて安全なのだから、問題はないでしょう? しかも実の話、ミスター・カーターがそれを促したんです。彼はその日に町に入り、西のどこかから来たと言いました。それは重要ではなかった。重要だったのは彼の笑顔と笑い声、皆を安心させる雰囲気でした。あの夜バーで、私達は皆彼に群がった。全員が彼と言葉を交わしたり、連邦の状況を聞いたりしたかったんです。ミスター・カーターは、大喜びでそれに応えました。本当に素晴らしかった。素晴らしくなくなった瞬間までは」

ユースタスはその夜の出来事を、そして状況が不吉な展開を見せ、ミスター・カーターの真実が暴かれた瞬間を語り続けた。

「飲み続けて、盛り上がっていました。3時間は経っていたでしょう。ミスター・カーターはその間に4、5杯飲みました。少し酔っていたようです、他の皆と同様に。すると何かが起きました。彼は微笑んでいたのに、一瞬のうちに顔から笑みが消えました。すると頬が、奇妙な感じでピクピクし始めました。そしてその光景は、つい昨日起きたようにまざまざと覚えています。彼はコートの内側に手を伸ばすとリボルバーをつかみ、バン! バーテンダーのヘンリーの頭を撃ったのです。ためらわずに、感情を表さずに。ミスター・カーターはまるで酒代を払うようにさりげなくヘンリーを殺しました。でも頬のけいれんはずっと止まりませんでした。いいですか、それから惨劇が巻き起こったのです」

ユースタスが語っているのは、言うまでもなく、「壊れた仮面」として知られる悪名高き事件だ。その時初めて連邦の人々は、戦闘用アンドロイドを製作した謎の科学組織インスティチュートが、人間社会に易々と忍び込めるほど高度なモデルの製作に成功したことを知った。ダイアモンドシティ住民が気づかないうちに、インスティチュートは何らかの形でアンドロイドを本物の人工人間、人造人間に進化させていたのだ。

ヘンリーを撃ったあと、ミスター・カーターはさらに3、4人を撃ちました。先ほど言ったとおり、惨劇が始まったのです。守衛が駆けつけて発砲し、ミスター・カーターは撃ち続け、人をあちこちに投げ飛ばし続けました。最後にようやく、守衛が彼を倒しました。錯乱した男、正気を失った男を殺したような光景でした。そして横たわる彼は、確かに異常者の死体に見えました。本当に恐ろしかった。でもその時にプラスチック属が見えました。ほら、初期型の人造人間でしたので。そしてその男が人間ではなかったことがわかったのです。皆が気づいたのはその時です。インスティチュートは"存在する"だけではない。インスティチュートはそこら中に、私達の身近に存在するようになったのだと」

ミスター・カーターとして知られる人造人間が大虐殺に及んだ理由は、正確にはわからずじまいだった。インスティチュートが彼の戦闘効率を試すために何らかの形で遠隔操作したと推測する人もいた。それでも他の人達は彼が不具合を起こしただけで(頬のけいれんを裏付けとした仮説)、殺人の意図はなかったように感じた。しかし当時、「なぜ」はほとんど重要に思えなかった。肝心なのは連邦の人間達が、間違いなく侵入されていたことだった。当時も今も、目的と動機の一切が謎に包まれている組織によって。インスティチュートが現在稼働させているものよりさらに遅れていたモデルの人造人間を使って。

ではヌードルの話に戻ろう。厳密に言えば、マクドナウ市長が先週水曜の夜に摂取したヌードルの話に。それと同じ場所で、人造人間ミスター・カーターは異常をきたし、無慈悲に数名を殺した。ダイアモンドシティの住民が人類特有のものだと思い込んでいた経験を数時間分かち合ったあとで。彼らは間違っていた。

我々はどうだろうか?

5.名無しさん2018年08月27日 16時51分

実は別バージョンが存在する。こちらは内部データのみ存在する、いわゆる没データで、PC版のStrings解析ツールでのみ中身を確認することができるが、訳者が違うため全く異なる文章となっている。またなぜか訳の質が高く、内容も採用された方に比べて非常にわかりやすく正確な翻訳となっている分、なぜこちらでなく上記のポンコツ訳が採用されたのか謎である。またダイアログIDは30EDC。

ヌードル。誰もがこれを口にする。嫌いな奴などいない。ダイアモンドシティパワーヌードルはこの15年間、人々の食生活を支えてきた。プログラム制御されたタカハシのぎこちない日本語の機械的なリズムから、それぞれのボウルから漂ってくる良い香りの湯気、そして一口味わうごとに口に広がるその火傷しそうな強烈な辛さまで、ヌードルを注文して食べることは人類が共有する経験のひとつである。そう思うのは私だけだろうか?

この考えが頭に浮かんだのは、この前の水曜日の午後5時を少し過ぎた頃に、パワーヌードルのカウンター席で、いつものように夕飯を食べていた時のことだった。そしてその時に目に映ったのが、そっと椅子ににじり寄り、皆と同じやりかたで事に当たりだしたあのマクドナウ市長の姿だった。右手を伸ばし、口を開け、すする。そう、ヌードルを食べ出したのだ。ダイアモンドシティの大半の住人が共有する経験だ

およそ60年前、2229年のダイアモンドシティの住人も、ほどよい暖かさの5月の午後に、今と同じカウンターの周りに座り、同じような経験をしていたはずだ。だがこれはタカハシヌードルより前の時代のことで、このバーヌードルではなく、冷えたヌカ・コーラや泡だらけのビール、強いウィスキーのショットを出していた頃の話だ。バーテンはヘンリーという名前の男で、その夜も、人類の共有経験である、飲むこと、吸うこと、話すこと、そして笑うことを手助けしていた。だがそれも、悲劇により終わりを迎えることになる

あの午後のことを覚えている古い人間はそう多くない。街のグールにはそういう者もいただろうが、2282年にマクドナウ市長告した対グール法で彼らは強制退去させられた。しかし、我々の中にも1人だけ、あの午後のことを覚えている者がいる。誉れ高い女家長のユースタス・ホーソンがその人で、パブリック・オカレンシズの独占インタビューで詳しく語っている

"ええ、確かに私はそこにいた。バーの正面の席に座ってたわ、今あなたが私の目の前に座ってるのと同じ感じでね。当時私は20歳そこそこで、楽しい時間を過ごすためにバーに行った。私はウォールに守られてた、もちろん皆もそう、危害なんて加えられるはずがない。だけど、あのMr.カーターはそれを簡単にやってのけたのよ。彼はあの日の早くに街に着いた、西の方から来たと言ってたわ。まあどうでもいいことだけど。問題は彼の笑顔よ、それにその笑い声、彼のあらゆる所作に皆が引き込まれていったわ。あの夜、あのバーでは、彼を中心にして人だかりができていた。言葉を交したいという人や、コモンウェルスの州に関する話を聞きたいという人ばかりだった。そして、Mr.カーターはこの上なく快くそれに応じていた。本当に素晴らしかったわ。その時が訪れるまでは"

ユースタスはその夜の出来事について話を続け、それが悲劇に変わった瞬間と、Mr.カーターの真実について語った

"飲んで、騒いで、もう3時間ぐらい経っていたはずよ。Mr.カーターはその時までに4、5杯は飲んでた。少し酔っていたように見えた、私たちみたいにね。そして何かが突然起こったのよ。彼は笑ってたわ、だけどその笑顔が顔から消えたの、突然ね。そして、彼の頬がけいれんを起こし始めたのよ。私は彼を見ていた、そのことは昨日のことのようにはっきりと覚えてる。彼はコートの内側に手を入れると、リボルバーを取り出して「バン!」バーテンのヘンリーの頭を撃ち抜いたのよ。一切ためらわず、何の感情もみせずに、Mr.カーターは酒代を払うかのように何気なくヘンリーを殺したの。でも彼の頬のけいれんが止まることはなかった。言うまでもないけど、その後はもう本当に大騒ぎだったわ"

ユースタスが説明しているのは、当然、あの悪名高い事件、"ブロークン・マスク"のことで、この時にコモンウェルスの人々は初めて、コンバットアンドロイドの作成に関与している、
謎の科学組織インスティテュートが、人間社会に簡単に溶け込める、最新鋭のアンドロイドを実用化したことを知った。インスティテュートは、ダイアモンドシティの住人に気付かれることなく、何らかの方法でアンドロイドを本格的な人間型ロボットへと進化させていた。つまりシンス

"彼はヘンリーを殺すと、続いて3、4人に銃を撃ち込んだ。さっきも言ったけど、もう大騒ぎ。ガードが応戦しても、Mr.カーターは発砲を続けたわ。そしてついにガードが彼を仕留めた。彼らも興奮して、頭のおかしくなった男を殺したとしか思ってなかったみたいね。彼はまるで狂った男の死体のようにそこに転がってたわ。まったく、恐ろしい光景だった。でもその時、プラスチック属が目に映った。初期のシンスで使われていた素材よ。それで私たちは彼が人間ではないことに気付き、全てを理解したのよ。インスティテュートは「あそこにある」だけじゃない。今やインスティテュートはどこにでもいるの。私たちの中にもね"
Mr.カーターとして知られるシンスが連続殺人事件を起こした理由ははっきりしない。戦闘テストのため、遠隔操作されていたと考える者もいれば、あれはただの不具合(けいれんする頬がその根拠)で、人を殺すつもりはなかったという意見もある。しかし当時は、"理由"はそれほど重要ではなかったようだ。それよりも当時、というか現在もだが、その目的や動機を一切明かしていない組織が、コモンウェルスの社会に実際に入り込んでいたということのほうが大きな問題だった

こうして我々ヌードルを食べられるようになったわけである。正確に言えば、かつてMr.カーターが、ダイアモンドシティの住人ならではの経験を共有して人間社会の一員となった後、混乱を起こして人々を虐殺することになったまさにその場所で、マクドナウ市長がこの前の水曜の夜に食べたヌードルのことである。彼らは誤った選択をしたのである

では我々はどうだろうか?

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