アスベスト

あまり意図してクラフト材料にすることはないのだが、メンタス・オレンジ味や
精神混乱のシリンジャーの材料になるあたり、ウェイストランド人の体内に入ると
害を及ぼすどころか精神・神経に影響を及ぼすようである。

前述の通り余らせがちなこれをそのまま売ってもいいが、どっちも
そこそこいい値段になるのでXP稼ぎを兼ねてクラフトしてから売るのもアリか。

意識せずとも他のJunkの副産物としてちょくちょく貯まるのだが、これ自体はあまり使い道のない素材である。

ただ、「Junk素材としてはかなり重量比価値が高い」という意外な長所があり、アスベスト自体を持ち歩いて売り払うと結構いい値段になる。

放射性物質がはびこり銃弾飛び交いレーザーに焼かれるウェイストランドでは単純に便利な夢のアーマー素材だろう。
たいていのウェイストランド人は健康被害が出る前に死ぬのだ。

放射性物質入りのコーラが大流行する世界なんだからアスベスト如きじゃ騒がないんだろう

ちなみにイギリスでは1924年にはアスベストが原因の病気についての診断基準が定められ、1930年代には換気についての労働基準が定められている。
一方アメリカでは1970年代に裁判所が、産業界が1930年代からアスベストの危険性を認識しつつ隠蔽を行っていたものと認定した。
この結果、大規模な訴訟が多発し世界最大のアスベストメーカーが倒産する騒ぎにまで発展している。

どうもフォールアウト世界では騒ぎにならず、揉み消したか無視されてしまったようだ。

その昔ガスマスクにもアスベストが使われていた。日本語で石綿、その細い石が体内にグサグサささる仕組みだ。放射能汚染や毒ガスから身を守れるが死期を遅らせるだけであった

チョークが100％アスベストとなっていることから同じ化学組成であるタルクを兼ねた表現であると想定できる。
繊維状のアスベストに対しタルクは粒子状であり現実でも錠剤やベビーパウダーのベースとして使用されている。

JUNKの一つ。タバコパック等を解体すると手に入る。
胴体部のアーマーに石綿裏地をつける事ができ、エネルギー耐性と燃焼ダメージ無効の効果が得られる。

さて現実世界でのアスベストとは、極めて耐久性に優れ、科学薬品・火(高温）・酸性・アルカリ性のどちらにも強く、環境変化にも対応し、絶縁性が高く、それでいて安価という夢のような素材である。
（ゲーム中の炎ダメージ無効と耐エネルギー性能はそういったアスベストの特性を良く活かした設定と言える。）

falloutシリーズの世界背景となっている1950年代では原子力と同じようにクリーンで安全な未来の技術だった。
上記のような扱いやすさもあり、建築資材から電気用品にまでありとあらゆるものにアスベストが大量に使用された。

しかし現代の我々が知っているように、アスベストは長期間吸入すると人体に悪影響を及ぼす。主に1970年代後半から放射性物質などと並んで認識が変わり始め、現在ではほぼ全面的に使用が規制されている。
大戦争目前の2070年代では環境汚染が深刻になってきている描写があるが、これは現実での1970年代の出来事と考えると非常に興味深い。


ちなみにゲーム中ではもう規制とかヘッタくれもなく、飲食物のメンタスオレンジにすら含まれている。