パラディン・ダンスの最終エントリー

余談ではあるがパワーアーマーがトレードマークであり、同じように大義を掲げた組織に所属し、かつ自身がその大義に反する存在になってしまったという人物はダンスの他にも存在しており
それがFallout2のラスボス、フランク・ホリガンである。

エンクレイブが純血主義を掲げミュータントを殲滅しているのは有名であるが、フランクは過去に起こった事故によりスーパーミュータントに変異してしまった身であり、その上でエージェントとしての活動を続けている。

一見すると両者の扱いの違いからエンクレイブの柔軟さを評価してしまいそうであるが、そう単純な話ではなく
マクソンが悩みながらもダンスの処刑を決めたのはBOSの理念を全うする為であり、これはパラディンとしてのダンスに対する手向け、彼の意思の尊重でもある。
一方でエンクレイブはフランクの高い能力を惜しみ、大義を曲げて彼の処分を保留しているものの、フランクは度重なる実験によりパワーアーマーに内蔵された生命維持装置が無ければ生存出来ないほどの身体になってしまい、更に組織内では陰で化け物とすら揶揄されている。

恩に厚い正義漢であるダンスと残忍な振る舞いの目立つフランクとでは印象が異なるが、例え人で無かったとしても両者が組織に捧げた忠誠は本物であった。
彼らに対して組織が下した判断は真逆と言っていいものだったが、ダンスの忠誠は最後まで仲間達に惜しまれ、フランクの忠誠は最期には誰にも顧みられないまま沈み行くリグと運命を共にした。
しかし一方でフランクは兵士としての矜持を誇りながら事切れ、ダンスは自身がダンスであった証明として死を選んだ。
両者の経緯は対照的ではあるが、互いに人としての結末を望んでいると言う点では同じであり、そしてその通りに人としての最期を迎えたと言えるのではないだろうか。

度を越したテクノロジーの討滅を是とするB.O.Sの正義に全てを捧げてあらゆる戦いを超えてきた彼にとって、彼自身がその度を越したテクノロジーであったという"罪"がいかに彼のアイデンティティを奪い、受け止めるに余りある事実であったかが分かるホロテープ。
彼がかつて持っていた信念、B.O.Sの大義に則って"罪"を裁くことで彼の苦痛を永遠に終わらせるのも良いだろう。もしくは、自身によって"罪"を償わせることで、彼が最後に望んだ"人間"としての最期を迎えさせるのも良いだろう。残された者はその生き様と忠誠心を語り継ぎ、"罪"を背負わせたインスティチュートを倒すことへの熱意を燃やすこととなる。

...あるいは、彼が単なるB.O.Sの兵器ではないことを彼自身に分からせ、過去を噛み締めつつ新たなるアイデンティティを築く道を示すべきかもしれない。

>>11
その「パラディン・ダンス」の項目の6でちゃんとX-01について触れられていますが…。
ここは質問スレとかではないし、辞典なのだからちゃんと項目は読んだ方がいいと思いますよ。（気になる部分があって調べたのでしょうから、読まないと辞典の意味がないのでは？）


しかし、1で言及されている通りこのアイテムに出会う攻略をした事が無かったので存在を知らなかった。
Blind Betrayalは「人造人間って一体何なのだろう？」と考えさせられるクエストの一つではあるが、このホロテープの内容は”最後まで人間であり続けようとしたために自決を選んだ人造人間”の遺言になるわけだが、体は人工物でも心は下手なウェイストランド人よりも余程真っ当な人間だと感じる。
下衆な人間も人造人間も居るが、心が綺麗な人造人間やグールが居ないわけではない。
そう感じたプレイヤーが多いからこそ、このアイテムを知らないプレイヤーもその分多いのかもしれない。

>>8
あれも
「自分は危険な存在だから消えなくてはならない」って理由だもんな。

しかしインスティチュートに「ロボット三原則」的な考え方はないようだな。
ターミネーターですら「自分では破壊できない」って言ってサラに自分を破壊するよう頼んでるのに。

ターミネーター2で、シュワちゃんが溶鉱炉の中に自ら沈むのと同じ。本当に切ない

彼のB.O.S.への忠誠からして「それ(人造人間=自身を殺す)が(B.O.S.の)人間らしい行動だからだ」という意味だろうか

「それが人間らしい行動だからだ」の人間らしいとは言葉通りの意味ではないと思う
自身が人造人間と知って、考えさえも誰かの思惑によって導かれたものかも知れない
人造人間だから思い至った考えかもしれないと困惑したダンスが“人造人間ではなく人間だったらどうするだろう?”という考えの元に出した答えだから「人間らしい」と表現したのだろう
人造人間ではなく人間として死ぬために、自分自身に人間だと証明するために、ダンスは死を選んだんだと思う

自決する哺乳類は人間以外ほとんどいないと思うが、何をもって人間らしいとするかは人それぞれか・・・
ダンスはBOSパラディンである自分が人造人間だという一生の矛盾を抱えて生きていくよりも、自決することで例外ではなく手本となりBOSへの忠誠と自分の人間性を示したかったのかもしれない。

自決が人間らしい行動なわけあるか
カリスマに自信が無ければ やはりとっととメンタスグレープを取ろう

パラディン・ダンス
『こうしてこの部屋の壁を見つめているあいだにも時間が過ぎていくが、私自身が生ける嘘だという現実にいまだに対処しきれないでいる』
『パラディン・ダンスとしてのアイデンティティはもう記憶の中にしかない。大切に思っていたもの、信じていたものたちはもう完全に失われてしまった』
『なんでこんなことが起こったのかずっと考えてきたが、真実は、そんなことはどうでもいいということだ』
『私は人造人間だ… つまり間違ったもの、科学の乱用が生んだ存在で、人類がどこで間違いを犯したかを示す標本だということだ』
『人類の利益のために、死ななければならない。臆病者だからとか、失望したからとかではない。それが人間らしい行動だからだ』
『ダンス、元B.O.S.のパラディン。以上だ』

Blind Betrayalにて、ダンスが自決する際に遺すホロテープ。
ダンスを説得、または処刑すると手に入らないので、一度も聴いたことがないプレイヤーも多いのでは？