タイヤレンチ

車は満足に動かなくなり、修理技術もとうに忘れ去られたウェイストランドにおいて、鈍器に使われるのは、必然かもしれない。

日本では車の整備工場や自分で車をいじる人の工具入れぐらいでしか見る事はないが、
アメリカでは国土の広さやロードサービスを待つ間に自分で修理した方が早い為に
車にスペアタイヤ・バッテリーや工具一式がのせてある率が高く、
日本と比べても圧倒的に身近な道具である。そのため、緊急時の道具として使われたり
銃を買う金すらない食い詰めた強盗、無軌道な暴走族等が武器として用いる事も多い。
こうした文化が背景にあるため、アメリカ映画ではしばしば無計画・短慮な行動や
衝動的な行動、応戦を隠喩する小道具として割りと頻繁に登場する。

フリーサイドのチンピラやプリムに居る脱獄囚たち、ヴァイパーギャングなど
いかにもこうした文脈の連中が持っている事が多い。

前作から続投のMelee Weapons。
DAM 15、DPS 34。要求Skill 0、要求STR 3。ユニーク品はなし。

そもそもタイヤレンチとは、主に自動車のタイヤを交換するのに用いられる工具である。今作のような見た目のタイプもあれば、十字形のタイプ、棒状のタイプもある。金属製のものが多く（ほとんどと言ってもいい？）確実に言えることは「人を殴る」ためのものではない。

ところがどっこい、キャピタルでは主にレイダーが、モハビではパウダーギャングやフィーンドがぶんぶん振り回し、一般人や主人公を殺そうとするのだ！
...なんだろう、この実家のような安心感は。

低性能ではあるが、序盤ならこれでちょっとした戦闘を乗り切れるだろうし、入手性もよいのでJury Riggingを取得した運び屋に修理素材として使われることもある。

今作では、フィーンド達がサウスベガス跡地付近にいる。
頭のネジが外れてしまったフィーンドを、タイヤレンチで矯正してやろう！
...なんてプレイも一興か。