プロトコル・アドネス(ホロテープ)

アリエス
「カーヴァー、アリエスだ。ほら、俺たちはちょっと奇妙な… 出会い方をしたよな。俺から見ても奇妙な出会いだった。俺について… 俺たちについて… 話しておきたいことがある。お前と… お前の家族が… 知っておくべきことだ。
俺の名前はカルビン・バン・ロー。お前の母親、シェリーの弟だ。彼女はお前の生みの親じゃねえが、家族は家族だ。証拠が要るなら、テープを聞いてくれ。お前の母親も納得するはずだ。
俺はもうこれ以上自分を変えるつもりはない。今の俺が俺だ。後戻りするつもりはない。けど… ちょっとばかし、なんだその… いつか、やり直したいと思ってることがあってな。お前に、それを手伝ってほしいんだ。お前が… 納得するならな。お前はシェリーを、お前の母親を俺よりもよく理解してる。いきなりこんなことを伝えてすまねえ。それともう1つ。もし俺のことを「カルビンおじさん」って呼んだら、叫び声も届かねえビッグベンドの穴ぐらに落とす」

猫「ニャーオ！」

アリエス「うわっと… て、なんだ… ただのネコか。最後にネコを見たのはいつだったかな？スクートはネコ嫌いじゃなかったのか… この辺もいろいろ変わったみてえだな。ここは明らかに… 誰もいなくなってから結構な時間が経ってる。つまり、期待は薄くなったってことだ…」

「ニャーオ！」

「それで、なんでここを訪れたんだ？ その… 真実ってなんだ… お前は確信してたのか？」
(タイプ音)
「スクート… ふう… 何だよ、そうだったのか、あいつはそんなに…ふむ… 最近のものはなしか。それがいいことか悪いことかは何とも言えな…」

「ニャーオ！」

「まったく、お前らはどこにでもいるな。繁殖能力はウサギ並みだ…ふう…繁殖… か。まさか…？いや、いやいやいや… まさかな。そんなはずはない… ありえん」

「ニャーオ！」

「…けど、もしかしたら？ …そうなのか？いや、ダメだ、クソ。しっかりしろ。早くここから出よう…」

「ニャーオ！」

「うるさいぞ、この毛玉野郎！」

アリエス「ああ！ アパ、ラ、チ、ア！」

ユージニー「わっ、気をつけて、スムーススキン」

アリエス「すまない。ちょっとこの新鮮で泥臭い空気が吸いたくてな。それに、この下の皮膚はそんなにスムースじゃないぞ、ジニー」

ユージニー「その呼び方はやめて… それにどうでもいいけど、言葉に他意はないから。今日はやけに元気そうね。ああ… 確かに。ここはあなたの地元でしょう？ 家に戻るのは久しぶり？」

アリエス「久しぶりなんてもんじゃない。好戦的なゾンビの友よ」

ユージニー「アリエス、あなたって本当に…」

アリエス「この1歩は、何十年かぶりにこの穏やかな大地を踏みしめる優美な1歩になる」

ユージニー「私の話を聞いてないわね… もういい、アリエス。勝手にして」

アリエス「道楽息子が戻ってきたぞ。霧と神秘に包まれた眠れる獣よ！新しく生まれ変わった俺は、爆弾の閃光よりも明るく輝く新鮮なまなざしで、この故郷の大地を再び踏みしめるのだ！」

ユージニー「やれやれ……ところで、なんで今？」

アリエス「何が？」

ユージニー「ずっとケンタッキーを目指してたじゃない。それを楽しんでたし。何で今ごろ戻ろうって？」

アリエス「ふう… 家族だよ」

ユージニー「えっと… ねえ、例のスコーチの件を聞いてるのかは知らないけれど、まあ…」

アリエス「大丈夫だ。俺の家族はここにいる」

ユージニー「あなたがそう言うならそれでいい。行こう」

レイ・ゲイリー「ウソだろ、お前なのか」

痛がる声(カルビン)「ああ… よう… レイ」

レイ「ずっと捜してたんだ。生きてるのはわかってた… けど、ほら、いろいろと… あったから…無事でよかった」

痛がる声「このありさまを… 無事と… 呼べるならな… 聞け、レイ。ローラは…」

レイ「やめろ。お前の気持ちはわかってる。でも、言うな。彼女は戻ってくる」

痛がる声「違う、俺が言いたいのは…」

レイ「もういい、カル。会えてよかった。リビングに物資が余ってる。誰かが侵入した様子もないから、まだ置いてあるはずだ。必要な物を持っていけ… そしてここを出ろ。アパラチアを。この辺りは… まるで…」

痛がる声「わかってる…」

レイ「違う… あれは、本当だったんだ、カル。俺は… この目で見た」

痛がる声「わかっ… てる」

レイ「1つ頼みがある。行く前に、下の階にある酒を取ってきてくれないか？ 自分で行けたらいいんだが…」

痛がる声「もう… ここにある…」

レイ「お前は最高だな、カル… 体を大事にしろよ、な」

痛がる声「俺と… 来てもいいんだぞ… なあ？」

レイ「行けないよ、カル。もうすぐ彼女が、帰ってくる」

痛がる声「…じゃあな、レイ」

(荒い呼吸が収まり始める)
痛がる声「…私たちはまた生気に満ちた空気の中に戻り… 死は私の無言の声を糧にし、私たちの絶望を笑い飛ばす…」
(痛そうに笑いながら咳をする)
(遠くで大きな音が鳴り響き、サイレンが鳴る)
「この病に侵された屍は、柔らかな心に触れ、息を吐いた… 優しい息吹の花を咲かせながら…星の化身のように… 輝きが香りに変わるとき… 彼らは死を照らし出す」
(咳、轟音が激しさを増す)
「…そして …その下で目覚める陽気な虫を嘲るのだ！(咳) 私たちは知らずに死ぬ。知っているものだけが、鞘が目に見えない稲妻に焼き尽くされる前に剣となるのだろうか？(咳) 原子は激しい輝きを一瞬だけ放ち… そして、最も冷たい安息に鎮まる！」
(咳、轟音が激しさを増す)

(金属の金切り音)(叫び声)
偽物のシープスカッチ「メェー…」
(機械的な足音が遠のいていく)
痛がる声「な… う…」
(もがく)
(床を這いつくばる)
「もう… 少し…」
(容器が開く)(ものを漁る音)
(スティムパックの注射音)(ため息)
「くっ！ ふう…こちら… カルビン… バン… ロー(咳)これより…プロト… これよりプロトコル…(きしり声)アドネイスを… 開始する…」

※最後の字幕は「こちら… カルビン… バン… ロー(咳)プロト… プロトコル…(きしり声)アドネス… 開始…」

Protocol Adonaisのクエストアイテム。アリエスがアパラチア各地に残してきたホロテープで、クエストでは#1～#5を逆順で集めることになる。#6はすべて集め終わった後にアリエスから渡される。
終盤、このホロテープを焚き火に入れて燃やすかカーヴァー・ティマーマンに渡すかを選べる。どちらを選んでも消滅する。

内容の要約については、プロトコル・アドネスを参照。
プロトコル・アドネス#1 >>2
プロトコル・アドネス#2 >>3
プロトコル・アドネス#3 >>4
プロトコル・アドネス#4 >>5
プロトコル・アドネス#5 >>6
プロトコル・アドネス#6 >>7