シエラ・マドレ・カジノ

ダンジョンとしての本カジノは、いくつかのフロアに分かれている。

・ロビー周辺
カジノ到着直後に訪れる場所。運び屋たちがカジノの扉を解放したせいで、攻略を進めるに連れてヴィラからゴースト・ピープルが雪崩込んでくる。フロントにあるターミナルには、シエラ・マドレの金庫室を攻略する鍵となるものが眠っている。

・カジノフロア
カジノと付随するバーがそろったフロア。当初は警備用ホログラムが巡回しており、あれこれ手段を講じて彼らの目を搔い潜って進むこととなる。
電力復旧後はシエラ・マドレのチップを賭けたギャンブルを楽しむことができる。7,500枚を勝ち取り、賞品券の獲得を目指そう！

・カンティナ・マドリッド
最高級のシェフが集ったと言われているレストラン…の、ロビーとキッチン部分。
本編中ではドッグ/ゴッドによりガス漏れが起きており、それに対処することになる。
キッチンには作業台やホットプレート、さらには様々な食料品が置かれているため、カジノのロビーでゴースト・ピープルと戦う際の準備をするのに便利だ。戦前のステーキも食えるぞ！

・タンピコシアター（ザ・タンピコ）
最高級の歌手が集うはずだった劇場。ディーン・ドミノと対峙することとなる。
ホログラム技術を利用したリハーサル機能が備わっており、諸々の理由でその復旧が目標となる。…ディーンよ、なぜ200年前に自分の楽屋のラジオを切っておかなかったんだ！

・スイートルーム
最高級の宿泊体験が出来る場所だったホテルフロア。クリスティーンが潜伏中。
セキュリティ・ホログラムを掻い潜りつつ、最奥のヴェラの寝室を目指すこととなるのだが…なんとセキュリティ・ホログラムがヴェラの末期の姿と音声を再生し続けている。
バックヤードでは「コズミックナイフ・スーパーヒート」の作り方を学ぶことができる。

・シエラ・マドレの金庫室
スイートルームのヴェラの寝室から行ける、シエラ・マドレ・カジノの最奥部。
果たして運び屋は「手放す」ことに成功し、シエラ・マドレからの脱出を叶えることができるのか！？…手放さずに脱出に成功する運び屋もいるようだが。

建築中に予算が尽きてしまった一因に、シンクレアの友であり右腕であったはずの
Mr.イエスタデイと呼ばれる人物の裏切りもある。ヴィラ建築作業の責任者だったが、
極限まで手抜きをして私腹を肥やしたり、シンクレアが禁制品にした酒や麻薬等の物品を
密輸して従業員・作業員たちに闇で売るなど、近い立場でありながら背信行為を重ねていた。

全域にずっと毒雲が立ち込めているのも実は換気用パイプで手抜き工事された事が原因で、
BigMTの意図していなかった毒雲の逆流という二次災害が起こり多くの従業員や滞在者が死亡。
シンクレアは防護スーツを取り寄せ、調査チームを派遣して事態の収集を図るも、
全域のパイプというパイプが亀裂や脱落部分だらけだった為に根本的には止める事ができず、
シンクレアの事故死・グレートウォー後は完全に毒雲に閉ざされてしまう。
ある意味、関わった人間の欲望や妄執が折り重なった結果招かれた惨状であり、
後の世で宝が眠る呪われた土地として噂されるのも頷ける部分である。

実際に核戦争が起きた際はラジオで助けを求める緊急放送が発信され、受信した相手が救助に来るまでの間を上記の技術でしのぎ切る、という設計思想であったようだ。しかし、その目論見は諸々の理由で完全に失敗に終わった。

第1に、最終戦争に前後してシンクレア当人がシエラ・マドレの金庫室で事故死した。
第2に、ホログラムが暴走した。彼らはヴェラ・キーズをスイートルームから出さず、他の客を始末して回ったらしい。結果、ヴェラは部屋で自死を選ぶ結末となった。
第3に、緊急放送が上手く放送されなかった。これは完全にシンクレアのミスであり、グランド・オープンを広告する放送（シエラ・マドレ放送）用に、本来緊急放送に割り当てている周波数まで使ってしまったのである。結果、緊急放送ではなくシエラ・マドレ放送が延々と発せられることになってしまった。
第4に、カジノの建設段階から確認されていた毒雲がその勢いを増し、ヴィラを含むカジノ周辺を覆いつくしてしまった。

そして元々、緊急事態が起きた際はカジノは外からは全く侵入できなくなるよう設計されていた。かくしてシエラ・マドレ・カジノは、何人とも寄せ付けぬ伝説のカジノとして、200年以上に渡り作中世界に君臨することとなったのである。

シエラ・マドレの中枢にして、最終戦争が勃発した2077年10月23日にオープニングを迎えるはずだった、大富豪兼建築家であるフレデリック・シンクレアによって建設された巨大カジノ。場所はグランド・キャニオンに近いとのこと。

訪れた客たちが不運を覆し「再出発（Begin Again）」することが出来る場所として作られた、アール・デコ様式に彩られたカジノ・リゾート施設…という表向きの説明も実のところ間違っていないのだが、同時に、この場所は全体が核戦争にも耐えうるシェルターでもあった。
Mr.ハウスほど正確な情報を掴んでいたかは定かではないが、シンクレアもまた核戦争の勃発を不可避と考えており、核戦争の余波からカジノの滞在客、何よりも恋人であるヴェラ・キーズを守るため、カジノ建設に当たってあらゆる手段を尽くしていたのである。

具体的には、ビッグマウンテンから様々な技術（自動販売機、ホログラムなど）を買い付け、カジノと付随するホテル全体を自給自足と防衛能力を備えた要塞に仕立てていた。
…自動販売機はシエラ・マドレ全体の経済を自分が完全に掌握できるようにするため、ホログラムは人件費の節約（シンクレアはカジノ建設前に財産を大分失っていたらしい）といった側面もあったようだが。