ベニーのスーツ

モデルになっているベンジャミン・シーゲルは若い頃から多くの悪事を働き、
後にマフィア組織の間で必要な殺しを請け負う「殺人請負会社」を立ち上げ
その元締めとして犯罪界でのし上がった。自身も何度となく殺しを担当しているが、
その際の行動・決断の迅速さと冷酷にして正確な仕事ぶりはマフィアも舌を巻いたという。
その一方で、マフィアでない人々に対しては非常に社交的に接した事や、
いつもシルクのシャツに200ドル以上（現在で言うと40万円ぐらいの感覚）する
オーダーメイドのド派手なスーツというバッチリ決まった出で立ちだった事から、
正体を知らなければ映画俳優や大企業の重役と思うほどだったという。

彼のファッションへのこだわりは、先んじて犯罪界の大物になっていた
ジョー・アドニスへの憧れからだったらしい。ベニーもまたこうした犯罪界の
伊達男達に憧れてわざわざこの柄のスーツを仕立てて着ていたのかもしれない
…全然コンセプトが周囲に理解してもらえていない気がするが。

キャスもベニーのスーツに関しては辛辣で、ベニーを始末した後に話しかけると「ああいうスーツを着てる奴は撃たれて当然」と吐き捨てる。

お洒落にうるさいホワイトグローブ協会の皆様からは「あのスーツは犯罪よね」というクソ辛辣な評価を頂戴している模様。
いかにも一癖二癖あるマフィアの大物という感じでかっこいいと思うのだが…

実はシナリオ上重要な役割を果たしているアイテムである。
というのも、運び屋がベニーのことを聞き込みする際には大抵「チェックのスーツの男を捜している」という聞き方をするし、聞かれた方も大抵「ああ、あのスーツの男か」みたいな思い出し方をするため。
犯行の際、もしもベニーがもう少し目立たない服装に着替えていたら、運び屋がベニーを見つけるのにもっと苦労したであろうことは想像に難くない。

Mr.ハウスに露見しないよう気をつけねばならない立場にもかかわらず、律儀にも一張羅のスーツを着たまま犯行に及んだせいで、ベニーは各地に足取りを残してしまった。
自分で自分を「変わり者」と称するベニーなりのポリシーに基づいた行動なのだろうが、その結果自分の首を思い切り絞めることになったあたりが、彼の限界と言うべきか。

ベニーが身につけている、白黒のチェック柄のジャケットと灰色のズボン。
DT1でbarterとspeechがそれぞれ+5されるので、スピーチチャレンジや売買のときには役に立つだろう。

ベニーのモデルとなった人物はフラミンゴ・ホテルの創設に寄与したベンジャミン・"バグジー"・シーゲルという名の実在したギャングであり、このことはnew vegasのリード・デザイナーだった人物が認めている。
（出典：http://web.archive.org/web/20130321012007/http://www.formspring.me/JESawyer/q/290705885565554220 ）
と、いうわけでこのスーツのモデルもベンジャミンが身につけていたチェック柄のスーツで間違いない。（https://www.imdb.com/name/nm1179222/ ）