サム・ブラックウェルのインタビュー

サム・ブラックウェルへのインタビュー

クイン・カーター
この時代、鉱山の暴動やストライキ、市民の暴動の中で、誰もが口にする名前がある。サム・ブラックウェルだ。ブラックウェルは政治活動を組合の活動家として開始し、自由契約の鉱山労働者と、ガラハン鉱業やホーンライト・インダストリアルといった地域の有力企業との関係を仲介していた。彼の運勢は合衆国上院議員の再選運動中に上昇を続け、73%という信じられないほどの人気を示して当選した

彼の人気を陰らせたのは、アパラチアのフリーステイツ運動（分離主義を声高に叫ぶ地元のサバイバリストの集団）への大っぴらな支持があった。しかしフリーステイツと警察の小さな乱闘が表立った暴力へと発展し、上院議員はさらに声高になり、彼の辞任を求める声も高まっていった

そして、一見何の前触れもなく、上院議員は姿を消した。チャールストンの事務所と家のどちらにも、電話の応答はなかった、彼の娘のジュディスは、VTUの授業に出なくなった。警察や心配した市民によって、複数の捜索隊が結成されたが、結果は出ていない

宛先のない手紙が私の机に届いたのは、ほんの3日前のことだった。行方不明の上院議員とのインタビューの申し出だった。でたらめだと思いつつ、私は引き受けた

しかし、でたらめではなかった

非公開のインタビューで、私は物議をかもしている前上院議員がいる、非公開の場所を訪れた。上院議員に私は、なぜ上院議員」を辞めたのかを訪ねた。私は有権者が彼にかけたプレッシャーによって、公務に失望したのだと思った。しかし上院議員は、私が疑っていたよりもはるかに暗いメッセージを持っていた

「政府の中で邪悪な勢力が動いている…これ以上、その一部でいたくはない」詳細を促されて、ブラックウェルは政府最高機関の数々」を名指しした。行政機関、農務省、アメリカの大企業…すべてが共謀して、中国がアラスカに侵攻するように仕向け、世界を戦争の瀬戸際に追い込もうとしているのだ

そのような痛ましい主張に直面したアメリカの人々に対する彼の助言は？「平均的なアメリカ人に残された唯一の頼りとなるのものは、居留区から避難し、荒野に向かうことだ。そこでは少なくとも、政府が我々に対して投げかけている恐ろしい目から逃れる希望がある」会話の間中、上院議員は落ち着いていて、明確であり、自分が話したことはどんなに妙であっても真実であると信じているようだった

衝撃的な暴露の夜の間で、恐らく一番驚きが少なかったのは、上院議員が合衆国上院議員を辞任したことだった。「このインタビューを、政府とこの国からの個人駅な引退声明と考えてほしい」それとともに、私は外へ出るよう促された。戯言と受け取るべきか、安全を求めるアメリカ人の必死な忠告と受け取るべきか、わからないままだった

カーター　　　「邪悪な集団？終焉は近い？とんでもないことを主張していますね。それを裏付ける証拠はあるんですか？」
ブラックウェル「言っておきますが、これは最後の審判の日に惑わされた妄想ではありません、カーターさん。信頼できる筋から情報を得ています」
カーター　　　「それを言葉通りに受け止めろというんですか？」
ブラックウェル「そうしてもらわなくてはなりません、カーターさん。命を守るためです。情報源を明かしてリスクを増やすわけにはいかない」
カーター　　　「上院議員、失礼な言い方かもしれませんが、あなたはパニックを起こそうとしているように聞こえます。証拠がなければ、手助けするつもりはありません。強い確信を持って言いますが、あなたはとあるチャールストンの神経科医の元を何度も訪れていますね。まるで…」
ブラックウェル「私の健康状態など関係ありません、カーターさん！人の命がかかっているんです！行政部、産業資本家、農務省です！奴らの世界をのぞき見たら、娘の命を狙われた！私の命もです！我々は、奴らの駒なのです！生き残る唯一の道は…退場することです。頼みは、ひとつだけです…このメッセージを広めてください」
カーター　　　「いえ、責めるつもりでは…私の側から見たらどうなのか、ご理解ください」
ブラックウェル「わ、わかります。これは…難しい問題ですから」
カーター　　　「最後の質問をさせていただけますか？」
ブラックウェル「もし私の言葉を広めてくれるなら、喜んで」
カーター　　　「あなたはまだ辞任を表明していませんね。これからそうする意思はありますか？」
ブラックウェル「このインタビューを、正式な辞任表明だと思ってください。広めてください、カーターさん。私の警告が広まってくれるなら…他に望みはありません。では、失礼します。私と娘には、仕事がたくさん残っています。ここには私たちしかいないのでね」

カーター　　　「では、録画しましょう。改めて、ご連絡ありがとうございます。あなたの手紙が本物だとわかった時は、言葉にできないくらい驚きました」
ブラックウェル「カーターさん、こちらこそ。大変な旅でなければよかったんですが」
カーター　　　「まあ…これも経験です。インタビューの最初に袋をかぶらされることは、そうはありません。ただのいたずらではなかったので、安心しました」
ブラックウェル「その点はお詫びします。姿を隠すことは、私と家族にとって今は重要なことなんです」
カーター　　　「なぜなんですか、上院議員？どうして突然上院議員の座を捨てたのですか？」
ブラックウェル「家族を守るためには、立ち去るしか方法はない。そう思ったんです、カーターさん。ですが、私が愛するたくさんの人々を危険なままにして去ってしまった、と気づきました。この間違いを正すために、あなたの助けを借りたい」
カーター　　　「いったい何の話ですか、上院議員？」
ブラックウェル「邪悪な集団が、政府内で暗躍しています。私とフリーステイツの仲間たちは、もうこの国が腐って死んでいく姿を傍観して嘆くつもりはありません。命を大切に思うなら、誰もが同じ思いのはずです。アメリカ国民に残された道は、ただひとつ。自ら戦うことです。持てるものなら何でも手にして、束縛から抜け出して、急いでそこへ向かうんです。終焉は近いんです、カーターさん。終焉を迎えたら、政府はもうあなたを守ってはくれません」

ちなみに同名のノートも存在する。こちらはチャールストン・ヘラルド紙であることから、世間に流通したのはメモの方だと思われる。

このインタビュー記事によってクイン・カーターとチャールストン・ヘラルド社は大きなバッシングを受けることとなる…

サム・ブラックウェルのインタビュー Part.1 >>3
サム・ブラックウェルのインタビュー Part.2 >>4
サム・ブラックウェルのインタビュー (note) >>5

チャールズヘラルドで拾えるホロテープ。サム・ブラックウェルがカーター記者に告発をしている。しかし聞いていると・・・。Falloutに欠かせない、ある組織を匂わせる。