ジュディのターミナル

>>6
>気味の悪い菌類のような見た目〜
つまり、レジデントの作っているメンタスも実際にはそんな見た目なのだろう。材料からして、ほぼキノコ（ファイアキャップと脳みそキノコ＋ニンジンの花）で、それを蒸留して作ると「頭がぼんやりする？」に書いてあるわけだし。

クラフト画面等で出てくる容器入りのメンタスは『※画像はイメージです』というやつなのかもしれない。
あるいは、レジデント側で容器に収まるよう、錠剤化するテクを発見したのかもしれない。浪漫があるのは後者か。

巨大なコウモリを見た。本当に大きかった。コウモリもこっちを見た。ここまで追いかけてきた。父さんは正しかった。これからは、外に出るときにはもっと注意しなければ

父さんの頭をすっきりさせるためにいくつか薬を試してみた。これまでのところ、とりあえずメンタスが一番効果があるようだ。ビートニクと引き籠りの哲学者が使う哲学者のための薬物だと思っていたけど、父さんにはよく利いた。先日、父さんは泥だらけで戻ってきた。巨大なコウモリを見たと言っていた。そんなことは初めてだった

私は店で並んでいるようなものにかなり近いメンタスのレシピを作り上げた。気味の悪い菌類のような見た目だけど、今のところは他のものよりは大分マシだ

最初からやり直そう

手が付けられなくなっている。正面玄関はほとんど覆われてしまった。この速度だと、エレベーターから出るために根を燃やさなければならなくなるだろう

動物も様子がおかしくなっている。ある日、犬ぐらいの大きさの蚊を見た。あんなふうに悲鳴をあげたのは、高校以来だと思う。でもこれで、人生の新しい目標ができた。絶対に、絶対に、絶対に、あの生き物が食事をとるところは見たくない

絶対に

外の植物の成長は手が付けられなくなっている。それは…

それは…

今はまだ言葉にできない

どうしようもない

私はここにいる。父さんと一緒に地下に籠っている。医大の最終年度がこんなことになるとは考えてもいなかった。でも父さんがやって来て、私たちは問答無用で逃げることになった。誰かが私たちを追っているらしい。何か決定的な証拠を見せてくれたわけじゃないけど、私は父さんを信じた。ただそれも、父さんの具合が悪くなるごとに難しくなっていく

でも、それが父さんの決意だということは、目を見ればわかった。それに、父さんにはここから出たら1人で住める場所がない

だから、私がここにいる。私と父さん。逃げ延びてきた上院議員。それに審判の日まで読み終わらなさそうな山積みの本。運が良ければ、父さんの気が変わって2、3にちのうちに外へ戻れるかもしれない

サム・ブラックウェルのバンカー内にある、ジュディス・ブラックウェルのターミナル。

_____パーソナルログ_____
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