メッド・テック・シンプトマティック・ターミナル

シンプトマティックがハーパーズ・フェリー診療所に来て一年が過ぎようとしていたが、このデバイスは皆の予想を上回るパフォーマンスを見せていた。機械はスタッフの職を脅かすものとして見られるのではないかという心配は間違っていた。スタッフたちは本当に、機械による助けをとても喜んでいたのだ

診療所の医師でさえシンプトマティックを好きになり始めていた。おそらく、もう一日24時間呼び出しに備える必要がなくなったからだろう

このテストを成功と呼んだら言葉が足りないだろう。メッド・テックはすぐにこのデバイスの本格展開を始めるべきだというのが私の意見だ

骨折、空気感染するウイルス、裂傷… シンプトマティックが扱えないものはないように思える。最初は障害が多かったかもしれないが、このデバイスは本領を発揮し始めている

ユニット内に原子力電池を搭載することにしてよかった。というのも、昨夜診療所が停電したのだが、デバイスは支障なく運用できたからだ

大きな成功を手中に収めたようだ

1ヶ月の間いじくり回した結果、シンプトマティックが調整されていることを確信できた。その過程でぶつかった問題と解決法には、次のようなものがある

・不快感を避けるため、機械の直腸プローブは温めておくべきであること
・音声シンセサイザーに採血のたびに"大成功！"と叫ばせないようにすること
・採尿時のミスに備え、デバイスのカバーを防水性にすること
・測定サイクル中は、血圧計用カフで患者の上肢を完全に締め付けてはならない

こうした問題のほとんどはとても小さなものだが、メッド・テックに対する訴訟が起きるのは時間の問題だということを強く確信している

スタッフからの質問攻めを受けることなく診療所にシンプトマティックを設置するのは難しかった

これまでのところは、シンプトマティックはただ採血や血圧測定、体温測定などを迅速に行うだけのものであり、仕事を簡易かつ正確に行うためのものであるのだと、全員を説得できている

このデバイスは患者の疾患を完全に診断することができ、必要であれば処方箋を発行することもできるのだが、しばらくここで使ってみるまでは、そういった機能は実行すべきでないような気がする。非常に優れた代役となりうるデバイスと交代させることで、田舎の医者を追い出したいというわけではないのだから

ハーパーズ・フェリー診療所の地下にあるハッキングが必要なターミナル。
近くの壁の小型金庫を開けることが出来るが、シンプトマティックについての言及もある

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[テクニカルノート 2076年9月2日 MTS] >>2
[テクニカルノート 2076年10月5日 MTS] >>3
[テクニカルノート 2077年3月11日 MTS] >>4
[テクニカルノート 2077年8月30日 MTS] >>5