アレゲニー病院に関するヘラルド紙社説

エレノア・ターキンの「狂気の1ヶ月」について

木曜日の社説、2061年3月17日発行
　記事に引き続いて今秋行われた緊張した検査の後、今日のアレゲニー病院はドアを閉ざしている。しかしケッセル医長や他の病院の理事はまだ、結果としてどんな罪にも問われていない。とはいえ、ダーキンがチャールストン・ヘラルドで暴露した内容が、読者に忘れられることはないだろう。ちょうどネリー・ブライによる、ブラックウェル島の女性専用精神病院の歴史的捜査のように、政策立案者や官僚は、その状況から手を拭っているかのようだ
　ミス・エレノアの診断は、精神病院の患者の多くが精神疾患の重大な問題が見られないのに、誤診されて収容されているという可能性を表面化させるはずだ。彼女は記事の中で、患者が長い間、他の患者と拘禁状態で拘束されていることを報告した。彼らは治療、食事、睡眠の時だけ拘束が解かれる。元記事にあるように、治療は主に患者を無理やり冷たい氷水につけるものである。必需品は最低限度の基準を満たすのみであり、患者がベジタリアン食や追加の毛布のような人間らしい設備を要求する手続きはない
　さらに、編集者は彼女を施設から解放して保護下に戻すため、複数回申請しなければならなかった。これは、施設に入っている血縁者の世話をしたいか、世話が可能な家族が解放手続きに伴う費用を払えないという理由で、寒中に放置されるということを意味する。ミス・エレノアの課題の目的は施設に10日間とどまることだったが、力強く激しい文章と資金による、彼女を解放しようとする試みをもってしても、彼女は施設に1ヶ月留め置かれた
　この事件が私にとって衝撃的だったことは、関心のある個人が誰でも料金を払って施設のガイドツアーに参加できることだった。表面上これは医師や医療従事者のためのものだったが、ミス・エレノアが報告し、後に職員が認めたように実情は異なる。家族はこの高価で秘密の「狂気の見学」の料金を払っても患者の元を訪れることは許されておらず、さらに追加料金を払わないと、家族の姿を見られる保証もない
　病院は閉鎖され、収容者は解放されつつある。彼らのほとんどは家族の元に帰り、ワトガの最先端施設や社会復帰施設に入る。しかし中には、すでに地域に大量にいるホームレスや放浪する労働者に加わるより他の見通しが持てないものもいる。暴力の加害者でアレゲニーに収容された者はほとんどいないのに、メディアはこの患者たちが地域に出てくることへの脅威をとめどなく報じている。患者たちはすでに、大きく苦しめられている
　この地域における真の脅威は、あの施設を運営していた人物だ。彼らはまだ、不名誉な処罰を受けることなく逃げている。あなたの会社に入ろうとする履歴書や、コミュニティの一員になろうとする応募によって。真におかしいのはどちらだろうか！

クランベリー湿原の複数のロケーションで入手できるメモ。アレゲニー病院（現在のディファイアンス砦）で起きた事件に関するチャールストン・ヘラルド紙の社説。